新型コロナウイルスの蔓延により生活者の価値観が変わった昨今、今までの商売のやり方がいつまで通じるのかという不安が脳裏をよぎるようになった方も多いはず。そこで、大淀町商工会では5年後、10年後を意識した経営力の強化を目的に「誰ひとり取り残さない、持続可能な社会の実現」というSDGsの理念に沿った商品・サービスの開発や、大淀町の課題解決にチャレンジする事業所による「おおよどSDGsプロジェクト」をスタートしました。
おおよどSDGsプロジェクトでは”自然落下・間引いた梨など使えなくなった梨”をテーマに再利用を行い、それを元に試行錯誤した試作品が登場しました。
第6回目には参画くださった事業所様より、このプロジェクトで取り組んだ試作品成果をお披露目いただくことで今年度を締めくくり、
来年度へと繋げていきたいという皆の想いで今年度を終わることになりました。
おおよどSDGsプロジェクト試作品集合写真
現在大淀町で日干番茶という町の特産品を生産しております。
今回のプロジェクトを通じて、初めて梨農家さんとの交流が叶いました。
それがヒントとなって、梨と番茶のコラボレーションが行えないかと考えました。
というのもかねてより、私達三姉妹で新しいお茶(ブレンドティー)の開発を行っていたからです。
様々な地域の産品を利用しながら、色々試作を重ねていた中、プロジェクトをきっかけとして、ブレンドティーに梨を取り入れることが出来ないかと、いろいろ試行錯誤しました。
今回の試作品は、嘉兵衛番茶という日干しのお茶をベースに、梨の葉を加工した梨の葉茶、梨のドライフルーツと少しスパイスを加え、梨農家さんの通年アイテムになれるように取り組みました。
私共もこのようなプロジェクトに参加したことより、メンバー皆さんのパワフルな勢いに後押しされ、昔ながらのお茶を活用した、新たなお茶の飲み方を提案できたのではないかと思います。
発売は来春を予定しており、今後これをきっかけに新たな日本茶ブームが起こらないかと期待しております。
社会福祉法人せせらぎ会の大淀園ブランド「こっぺ」として、お菓子やお弁当の製造、販売をおこなっております。
今回プロジェクトに参加し、梨の生産者の梨子本さんより、「摘果」という間引かれた梨を、何とか製品に利用できないかという提案を頂きました。
私共はこれまで、シフォンケーキやカップケーキ、フィナンシェの製造販売しておりましたので、その経験を活かして摘果された梨を様々な手法によりチャレンジしてみました。
その結果摘果の梨特有の渋みがなくなり、甘味が出て美味しくできたので、フィナンシェに仕上げました。会議の試食で凄く好評いただくことができ、それがやりがいとなってフィナンシェの本格的な販売を目指すことになりました。
また梨のドライフルーツにもチャレンジしておりますが、弊社ではドライフルーツの製造機械が無いので、製法を工夫しながら試作品の開発を行っております。
梨子本さんの梨との出会いにより、梨には様々な種類があり、味も変わることを知ることで、洋菓子作りにも深みが生まれました。
また来年梨子本さんのご厚意で、私共の願いである農福連携に繋がる、より一層のコラボレーションを行っていただけるとのことで、こちらも楽しみにしております。
雀堂という創業60年の和菓子店を営んでおります。
主に大淀の道の駅や地元スーパーで販売しております。
また浅田氏や野瀬氏らと共に、町特産の日干番茶の活用を目的とした、番茶プロジェクトのメンバーとして、10年に渡り活動してまいりました。
今回はSDGsプロジェクトとして、梨を活用した特産品の開発を行う事ができました。
その成果が「梨の大福」と、「梨と番茶のようかん」です。
梨の大福は、梨のシャキシャキとした食感を残すためあえて何も加工せず、白あんで包んだあん玉を求肥で包んでおります。その為梨の果汁が溢れており、その影響で賞味期限1日とかなり短くなっています。
なので現状では販売方法が限定されていまいますが、何とかこの一番おいしい状態のまま、もう少し扱いやすい梨のデザートとして皆様に味わっていただければと考えております。
梨と番茶のようかんは、上部茶色い部分が嘉兵衛さんの日干番茶を作った番茶のゼリーで、その下が白あんと梨の果汁を混ぜた白いようかん、そしてその間にコンポートした梨を薄く切ってサンドし仕上げております。
これも少し改良を加えて、仕上げていきたいと考えております。
下市町、大淀町で4代続く割烹店、鮨亀を営んでおります。
私が今回報告する料理は、「ヤマトポークの梨ポン酢」と「梨の素麺」です。
この料理のコンセプトは、全て大淀町の福神・薬水地区の産品で作ってみようというものです。
たとえばヤマトポークですが、福神・薬水地区の養豚場で、クラシック音楽のモーツァルトを聞かせて育てています。
クラシックの効果でストレス軽減されることで、臭みがなく脂身がとてもおいしいのが、このヤマトクラシックポークの特徴ではないかと思います。
福神の梨をすりおろし、地元の農家が作ったカボスと合わせてポン酢を作り、ヤマトポークと和えました。福神・薬水地区で統一してみたら、やっぱり同じ土場が取り持つ縁といいますか、とてもおいしい一品に仕上げることができました。
もう一品は素麺ですが、実は番茶プロジェクトのアイテムとして、番茶の素麺を開発してきた経緯があります。
当時展開していた番茶商品の一番の課題として、賞味期限が短い商品が多いというものがありました。
それを解決するために、番茶の香ばしさ生かしつつ長期保存できる商品として、素麺に着目しました。
当時知り合った「三輪素麺の丸久」様の、素麺工場に僕が通って、工場に立ち入らせていただき、練り方から試作まで関わらせてもらって、番茶の素麺の開発を行いました。
その時の信頼関係が現在にも活かされて、丸久さんに梨を使った素麺の開発について相談し、また他のメンバーが梨の葉でお茶を作ったことをヒントに、梨の茶葉を粉末にして素麺混ぜてはどうかとのアイデアが生まれ、この梨の葉素麺が完成しました。
素麺とは、小麦を辛~い塩水で練りこんで練りこんで、それを伸ばして作るのですが、梨の葉の粉末をどのタイミングで投入すべきかなど、様々な試行錯誤の末ここに完成しました。
私はゆり庵という、コンニャク並びに、コンニャクを使用したスイーツの製造・販売をしております。
このプロジェクトに於いて、梨を活用するというテーマの基、開発を始めたのですが、最終的にはバターに混ぜた「梨バター」とすることで、ご家庭にでも利用しやすいものをというコンセプトにしました。
大淀町の梨について、梨子本さんのお話を聞いてるうちに、「何てもったいないのか」と感じました。
それはこれだけの素晴らしい梨のアイテムが、なぜ認知されていないのかと考えたからです。
そこで多くの方に梨を親しんでもらいやすい形状を思い浮かべました・・・当店の商品にコンニャクシャーベという、ジャムとコンニャクを融合した商品があります。
その製法を利用して、梨ジャムとコンニャクを混ぜ合わせ、そこにバターを練りこむことで、食べやすい梨バターを作りました。
特徴としては、美容成分であるセラミドを配合し、またコンニャク由来食物繊維も摂れ、健康的に仕上がっております。
大淀町の道の駅で、地産食材レストランときんという飲食店を営んでいます。
番茶プロジェクトに参加した際にも、番茶のソフトクリームを開発し、現在まで当店の人気商品となっております。
以前より梨が大淀町の特産品なので、地元道の駅のレストランとして、梨のソフトクリームを開発したいという思いがずっとありました。
今回のプロジェクトがきっかけとなり、ついに梨を使ったソフトクリームの開発を行うことができました。
開発について、いろいろ梨の農家さんに相談したら、「梨みつ」というものを作っている農家さんがおられることを教えていただきました。
実際に梨みつを口にすると、それ自体が凄い美味くて、その風味を生かしつつ、ストレートに味わって欲しいと考え、今回の試作品としました。
これを来年の梨の時期に期間限定で販売しようと考えております。
※事業所名の五十音順に掲載。